2022年7月12日火曜日

老いるということ

旧役員から上司宛に電話があった

用向きは察しがついた
届いたという礼だろう

あいにく上司は打ち合わせ中
そう言ったら,すぐに取り次げと言う

お急ぎですか?と尋ねたら,そうだと言う
高齢でもあり本当に緊急事態かもしれない
「お話し中失礼します」と声をかけるのは苦手
が,やむを得ない

上司は特に気を悪くもせず対応してくれた

そして
「お礼の電話でした」と笑った

少しせっかちになられました?
そっと聞いたら,かもね,とうなずいた


なんだかとても傷ついた

この御仁は,電話をとるとたいてい冗談や雑談を前置きに喋る
声で電話を取ったのがだれかわかる人だった
東日本大震災のときは見舞いのメールをくれた(当時は現役役員)
でも今日は電話を取ったのが見知らぬ新人かのように名乗った

老いるということは目や耳など身体機能,認知機能の低下だけではない
気づかいなどの能力も低下するのだ

親の出身地の隣町にお住まいだった
訛りが懐かしく,上司に代わる前の会話が楽しかった
でももう,かの御仁はいないのだ

  

ボーっと生きているんじゃねぇ
ばか

なんて言えるのは体力も知力もそこそこある人にだけなんだな


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